1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。

そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。20代、30代の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!

彼女がいる彼を略奪! そのテクニックとは?

本記事では当事者である女性の思いが語られ、モア・ボイスの記事では当事者の男性の思いが赤裸々に語られています。ぜひこちらもチェックを!(記事の最後に関連リンクあり)

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ーDATAー

岡野ナツコさん(仮名)27歳 /会社員/独身

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出会いは、クラブでのナンパ

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――ナンパされて、付き合った経験がある?

はい。24歳の時にナンパしてきたセイヤ(仮名・27歳)と付き合って3年になります。(岡野さん、以下同)

――どこでナンパをされたのですか?

大阪のクラブです。女友達とふたりで踊っていたら、声をかけられました。


――クラブによく通っていたのですか?

そうですね。当時はコロナ禍前だったので、休みの前日は、クラブで朝まで踊ってということがよくありました。セイヤに声をかけられたのも、かなり遅い時間だったと思います。


――どんな感じで声をかけられたのですか?

友人がお酒を買いに行っていて、私がひとりになった時に「かわいいね」と(笑)。


見た目はかっこよくて優しそうだったのですが、「好きになっちゃいけないタイプだ!」と思いました(笑)。うまく言えないんですが、女遊びしていそうなタイプだなって。


――チャラそうなオーラがあったのですね。

そうですね。私が黙ったままうつむいていると次は「LINE教えてよ」と。とっさに「LINEやってないんです」と嘘をついて。「え~LINEくらいやってるでしょ?」とか、その後もしつこく聞かれるかな? と思ったのですが、セイヤはそれ以上聞いてこなかったんです。

好きになっちゃいけないタイプとわかりながらも、気になる

――では、そこでナンパは終了?

いいえ。セイヤはまったく違う話題を振ってきたんです。

「クラブにはよく行くの?」とか。最初は適当に答えていたんですが、セイヤが一番よく行くクラブが、私の一番好きなクラブでした。

その後、好きな曲の話題で盛り上がって、気づいたら連絡先を交換していました(笑)。共通点があるってだけで、連絡先交換のハードルが一気に下がったんですよね。


「好きになってはいけないタイプ」だと心の中では思っているものの、話していくうちにセイヤのことがどんどん気になっている自分がいました。


――その後どうなったんですか?

女友達と朝まで踊っていました。セイヤも一緒に来ていた男友達と朝までいたので「この後みんなでカラオケでも行く?」とセイヤたちから誘われました。


――朝ですよね?

そうです。朝の3~4時からカラオケです。元気ですよね。みんなで「どこのカラオケ行く?」と話しながらクラブ周辺を歩いていたら、突然セイヤにすごい剣幕で声をかけてくる女性が現れて。


「セイヤくん何してるの? A子のこと、はっきりしてあげてよ!」と怒鳴られました。


ちょうどその時にセイヤの電話が鳴り、A子さんからの電話でした。「知らない女の子と出ていったでしょ!」と電話の向こうで泣いていました。


――A子さんは、セイヤさんの恋人だったんですか?


いいえ、セイヤはA子は恋人でもないし、体の関係もないと言っていました。


結局その電話の後、セイヤが「A子が泣き止まないので会いに行ってくる」と行ってしまいました。


私が感じた「好きになっちゃいけないタイプ」という第一印象は当たったな、と思いました。セイヤは「絶対戻ってくるから!」と言っていましたが、もう戻ってこないだろうなと思いましたね。

出会った日に流れでホテルへ

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――その後、どうなったのですか?


結局その時間に営業しているカラオケがなくて。どうするかと話していたら、セイヤが戻ってきたんです。急いで来た様子が、ちょっと嬉しかったですね。そしてそのままの流れでセイヤの友人が「ホテルで休む?」と言い始めて。


――ホテルに行ったのですか?

はい。私の友達がセイヤの友達がすでにいい感じだったこともあり、ふたりが同じ部屋に。そして私とセイヤもふたりで同じ部屋に入りました。


――急展開ですね。

そうですよね。ホテルに入ったらやっぱりそういう雰囲気になりましたが、私は断固としてセックスを拒否しました。


――なぜですか?

軽い女だと思われたくなかったんです。ホテルに入っちゃってる時点でどうなのかという話ですが。


セイヤは私に触ろうとしてきましたが、「ダメ!」と拒否しました。彼は驚いた様子でしたが、無理にそういうことをするわけでもなく、ふたりで仮眠を取りました。


――軽い女と思われたくなかったのは、なぜでしょうか?

この時、私はセイヤのことが気になっていたんです。だから、ここで簡単にセックスして軽い女認定されたら、この先ないだろうなと思いました。

その後、ふたりでデートするように

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――その後、どうなったのですか?

頻繁に連絡を取り合うようになりました。私とセイヤには「クラブ好き」以外にも「地元が同じ」という共通点もありました。

たまたまセイヤが地元に帰るタイミングが、私の帰るタイミングと一緒だったので、彼の車で一緒に地元に帰ることになったんです。


――関係が続いていたのですね。


はい。すでにセイヤのことが好きになっていた私は「付き合って」と告白しました。でも、返事は「君のことは好きだし、付き合いたいんだけど、仕事が忙しくて」みたいに煮え切りませんでした。


――それはなぜでしょうか?

実はこの時、セイヤには彼女がいたんです。告白した時それを知らなかった私は、セイヤの言葉を鵜呑みにして「仕事が忙しいのか、これは長期戦になるなぁ」なんて考えていました。


――彼女がいるとセイヤさんから聞いたのですか?

いいえ、セイヤの知人が悪気なくぽろっと言ったのを聞いてしまったんです。「あぁ、それで告白を断られたんだ」と、その時気づきました。


――セイヤさんに「彼女いるの?」と聞きましたか?

いいえ。聞きませんでした。

――彼女がいるからといってあきらめようとは思わなかったのですね。

そうですね。むしろ長期戦を覚悟しました。

――セイヤさんのことをそこまで好きになったのには、理由があるのでしょうか?

今まで私が付き合っていた彼氏は、オラオラ系の年上が多かったんです。共通点もなく、そんなに頻繁に会うわけでもなく、会話も続かずという感じの人たちでした。別れた時は、私も去るもの追わずスタンスでした。


一方セイヤは、歳が近く、共通点もたくさんある。話が盛り上がるし、男女問わずモテている。彼女がいる、危険な男のオーラ、そういうことがむしろ魅力に感じたんです。

彼女になるために作戦開始!

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――その後、セイヤさんとはどうなったのですか?

週1・2回、セイヤと会っていました。

私の中で、決めていたことが3つありました。「セックスは絶対しない」「自分から付き合ってと言わない」「感情的にならない」ということです。

彼女がいる人に対して「別れてよ」とか「付き合って」と言うのは逆効果だと思ったので、作戦です。


――ずっとセイヤさんに彼女がいることを知らないふりをしていたのですか?


いいえ。頻繁に会うようになってセックスを誘われたことがあったのですが、「だめだよ~、彼女いるでしょ?」と、かなりフランクな感じで断りました。


――作戦の「感情的にならない」を実行したのですね。

そうですね。それ以外にも、当時の彼女が年上のきれいめなお姉さんだったので、私も彼女に負けないように、落ち着きとか包容力がある=家庭的な部分を見せたり、自身の仕事でのビジョンを語ったりしました。


あとは何より、彼女がいても騒ぎ立てたりせず、受け止める姿勢を貫きました。


――その後、どうなったのですか?

その後、セイヤは彼女と別れ、私と正式に付き合うことになりました。私の作戦勝ちです。

24歳当時の私とセイヤはクラブで遊びまくっていたのですが(笑)、コロナを経て、今は2人で楽しく暮らしています。

今年で付き合って3年目。結婚を視野に入れた同棲もしています。

男性サイドはどんな心理状況だった? セイヤさんのインタビューをチェック!

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取材・文/毒島サチコ

ライター・インタビュアー
毒島サチコ

MORE世代の体験談を取材した「モア・リポート」担当のライター・インタビュアー。

現代を生きる女性のリアルな恋愛観やその背景にひそむ社会的な問題など、多角的な視点から“恋愛”を考察する。