• “やりたいこと”を自分の中に持ち続ける そして「私がそう考えるのは“自分に飽きたくない”という気持ちが強いからなのかもしれない」と続ける。キャリアを重ねるにつれ“初めて”が減っていく。それはどの仕事も同じ。いつまでも飽きずに新鮮な気持ちで向きあうために意識していることはありますか? と、石原さんに尋ねるとこんな答えが返ってきた。

    「“やりたいこと”を自分の中に持っておくこと。それは大切にしています。今すぐには無理でもいつか実現するかもしれない。その気持ちがあるだけで“これがつながるかもしれない”と仕事を頑張ることができたり、“同じ”と感じるものの中にも自分を成長させるための何かを見つけようと視点が切り替わったり。目の前の景色が変わると思うんです」

    同じことの繰り返しにするのか、成長するためのステップに変えるのか、それは自分次第。常にいくつもの“やりたいこと”を自分の中に持ち続けている石原さん。ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』もそのひとつ。

    「以前から、人を支える仕事に興味があって。医療関係の作品にも、また挑戦したいと思っていたんです」

    今作で石原さんが演じているのは8年目の薬剤師・葵みどり。

    「薬剤師の仕事について知りたくて、撮影に入る前に友達と現役の薬剤師さんと食事をしたんです。そうしたら、偶然にも、私が演じるみどりと重なる部分がとても多くて!! 何を考えどんな生活を送っているのか、いろんな話を聞いたのですが、特に印象的だったのが『原作マンガが私のバイブルなんです』という彼女の言葉。薬剤師はなかなかスポットが当たらない仕事。それがマンガやドラマになるのはとてもうれしいと言ってくれて。私自身、今作に出合うまで知らなかった、多くの人を支えているこの仕事の大切さをあらためて痛感しました」
  • 最近、不思議と周りから悩みを相談されるんです 「仕事仲間や昔からの友達……相手はさまざまなのですが。今年に入ってから急に、不思議と周りから相談されることが増えたんです」

    最近の変化について尋ねると、飛び出したのがこの言葉だった。

    「ひとりひとりの悩みと向きあいながら励ましの言葉を考える、最近はそんな毎日を送っていて。いろんな人がいる中で私を頼ってくれる、それはとてもうれしいことですよね。その気持ちに応えたいからこそ、私も真剣に答えを考えるし、解決の糸口を私なりに懸命に探します」

    アドバイスをする時、石原さんが大切にしているのが「相手に合った言葉を探すこと」。

    「『逃げるクセがあるから、ちゃんと向きあったほうがいいと思うよ』なんて、ウイークポイントをハッキリ伝えたほうが響く人もいるけれど、なかには傷ついてしまう人も。その場合は短所を指摘するよりも長所を引き出すような言葉をかけるようにしたりね。ただアドバイスを届けるだけでなく一緒に考え、寄り添いながら答えと言葉を探す。最後にはその人にちゃんと前を向いてほしいから」

    他人の悩みにも手を抜かない、100%全力で向きあう、それが石原さとみ流の悩み相談。大変じゃないですか? と尋ねると「全然!! それどころか、自分のプラスになることがとても多くて」と微笑む。

    「相手の悩みを掘り下げて考えると自分も新たな気づきに出合えたり、より深くものごとを考えることができるようになったり……。そこで、思い出したのが尊敬する先輩の『誰かひとりをトコトン大切にするのもいいことだけど、多くの人の心を受け入れ、自分の中に入れることで、人間力は養われるんだよ』という言葉。まさに今、それを実感している最中。大変どころか、私自身、成長させてもらっているような感覚なんです」

    ニット¥39000/コロネット(エアロン) スカート¥30000/UNIT&GUEST(バウム・ウンド・ヘルガーデン) 靴¥17000/オデット エ オディール 新宿店(オデット エ オディール) イヤリング¥73000/KAORU ルミネ有楽町店(KAORU) バングル¥29500/ザ ストア バイ シー 代官山店(マラムクス)