

個性的なキャラに驚きつつ、女友達について考えました。
女子会ばやりの世の中で、女友達を渇望する栄利子の常軌を逸した行動は“これぞ小説!”の面白さ。恐怖の中にコミカルさすら感じる描写の連続で、「栄利子さん、もっとかき乱して!」とのめり込みました(笑)。同時に「私はなぜ、あの子との仲が続いているのだろう」と、自分の友達づきあいを考えるきっかけにもなりました。
今、私には親友と呼べる存在が4人います。中・高・大学といろんな場所で知りあった彼女たちですが、月に一度連絡を取る子もいれば、毎日メールは欠かさないのに年数回しか会わない子もいたり(笑)、それぞれの親友と心地よい距離感でつながっています。一方で、“一生親友かも!”と期待しあう関係ほどなぜか途切れてしまったり。永遠に続く友情ばかりではないな……という実感も。
女友達との関係って不思議で複雑だし、キレイごとだけじゃない。そんな思いが浮かんだ一冊でした。
『ナイルパーチの女子会』柚木麻子

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取材・文/石井絵里
撮影/露木聡子
ヘア&メイク/赤松絵利(esper.)
スタイリスト/轟木節子
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