
ホームパーティに参加したのは、タクシー運転手のコジモと獣医のビアンカの新婚夫婦、結婚17年目で、関係はすでに冷え気味のレレとカルロッタ。美容整形外科医のロッコと、妻で心理カウンセラーのエヴァ。そして、ちょっと太めでいじられキャラのバツイチ、ペッペの7人。何十年も知っている気のおけない友人同士の会話は、率直でときに辛辣。恋や結婚、男女の違いについて会話が盛り上がるうち、携帯電話が元で浮気が発覚し、破局してしまった友人の話題になり、ついにエヴァが「お互いの携帯を見ても別れずにいられるかしら? ゲームしない?」と提案してしまいます。
参加するのも地獄、断っても疑われるというピンチに直面し、しぶしぶ参加させられたメンバーたちの憂鬱たるや! やがてスマートフォンが鳴りメールが届き始めると、夫婦間のもめ事はもちろん、仕事の悩みや浮気、性癖などが次々明らかになり、長年培ってきた友情にも亀裂が生じていきます。映画の中で印象的に描かれる月食のように、人間は誰しも表向きの顔の下に素顔を隠しているもの。あらゆる個人情報をすべて抱え込んだ携帯電話というブラックボックスには、触れないほうが幸せだという教訓を痛いほど突きつける、笑っちゃうほどシュールでブラックな作品です。
(文/松山梢)
●3/18〜 新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
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