
ひるかわ・ゆう●1986年、神奈川県生まれ。モデルとして『MORE』など各誌で活躍。昨年は映画デビューも果たした
すずき・あん●1987年、東京都生まれ。出演する蜷川幸雄演出の舞台『海辺のカフカ』日本凱旋公演は9 月末から!
『彼は秘密の女ともだち』

ポップで可愛さのある オゾン作品って新鮮!(杏)
まさに“女”の映画! 女ともだちと語りたい(游)
游)私は『スイミング・プール』を観たことがあって“難しい”って印象だったけど、この作品はそんなことなかったなぁ。
杏)監督らしい人間の複雑な心理描写は健在だけど、起こる事件やストーリーはわかりやすいし映像はポップだし、“オゾン入門”としてはおすすめかも!
游)物語の始まりは、主人公のクレールが亡くなった親友の夫ダヴィッドから「女性の服を着たい」と打ち明けられること。女装した彼にヴィルジニアという名前をつけて、“女ともだち”として仲よくなっていくふたり、すっごく楽しそう!
杏)ショッピングのシーンね。ヴィルジニアに触発されてルージュをつけたりワンピースを買ったり、地味だったクレールも一緒にキラキラしていくのが素敵だったな。でも親密になるにつれ、彼への気持ちが友情なのか愛情なのかわからなくなってきて……。その心の動きがミステリアスに描かれるから、“え? 何? どういうこと?”って引き込まれちゃう。
游)私はね、クレールがダヴィッド(=ヴィルジニア)に惹かれた理由は“共感”なのかなと思った。感覚が近くて、なんでも一緒にできるのが心地いい。
杏)たしかに! 彼といるより女子会が楽しいっていう今の私たち世代にも似てるかもね(笑)。
游)男とか女とかいろいろこだわる世の中だけど、本当はそんなのどっちでもいいのかもね。私は最後まで観て、これでいいんだって素直に思えたから。
杏)ね、幸せであればね。私もあのラストを観てそう思った!
MORE2015年9月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック!
取材・文/新谷里映
撮影/森脇裕介
イラスト/STOMACHACHE.
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