12星座全体の運勢

「ゲームに臨む戦略を取り戻す」 

5月21日に太陽がふたご座に移り「小満」を過ぎると、万物の命もあふれんばかりに躍動し、特に植物は生気に満ちて、若葉がしたたるような青葉になりますが、そんな中、5月26日にいて座5度(数え度数で6度)で皆既月食を迎えていきます。 

今回は近地点で起こる満月なので、大きいです。いわゆる「スーパームーン」なのですが、それが欠ける訳ですから、単に「エモさ」が解放されるというより、そうした「エモさ」を感じられるような心の拠りどころとなっているものが失われたり、一時的に失われかけた結果、そのありがたみが骨身に沁みるということが起きやすいタイミングなのだと言えます。 

その上で、今回の皆既月食のテーマを端的に表わすとするなら、それは「ゲームプランを取り戻す」。すなわち、せっかく与えられた人生というゲームを最大限楽しんでいくために必要な目標を持ったり、誰かと共に戦っていくためのルールを設けたりすることの大切さを改めて再認識していくことです。 

それは逆に言えば、もし今あなたが適切なゲームプランを持てていないばかりに、即座の結果を求めて不満を募らせていたり、ついマンネリ化して立ち往生してしまったり、また他の誰かと互いに消耗しあうような状況に陥ったりといった傾向に少しでもあるのなら、そうした現実にきちんと向き合っていかなければなりません。 

ちょうどこの時期には「更衣(ころもがえ)」という季語があって、気候不順も重なって服装選びに悩む頃合いですが(制服は6月1日が衣替え)、服装だけでなくそれに連動するコンセプトやライフスタイル、生活の中で重視するポイントなどをこの機会に整理・統一してみるのもいいでしょう。 

その意味で、今回の月食前後の期間は、改めて人生というゲームの遊び方のスタイルを明確にしていくことができるかどうか問われていくように思います。 

牡羊座(おひつじ座)

今期のおひつじ座のキーワードは、「哲学的であるということ」。

牡羊座のイラスト
青年の哲学(人生の問題)、大人の哲学(社会システムの問題)、老人の哲学(死の問題)はそれぞれ、文学、思想、宗教で代用できるが、子どもの哲学(存在の問題)には代用がきかない」 
 
永井均は上記の理由から、子どもの哲学だけを「哲学」と呼び、その他にはそれぞれ代用可能な他のジャンルをあてがってみせるのですが、そうした存在の問題を扱う哲学に12星座のうちで最も直面していきやすいのは、間違いなくおひつじ座の人たちであるように思います。 
 
というのも、列挙されたジャンルの中で最も何のためにもならないのが哲学な訳ですが、同時に、そういう目的を持ってしまったらとてもできないのも哲学だから。 
 
そもそも、哲学というのは「何かのためになる」の「何か」とか「ためになる」ということが成立するための土台部分の疑問に引っかかってしまったり、それについて考えずにはいられない人がやらずにはいられなくて気付いてたらやってしまっているものなのですが、そこまで無目的に問題に突き当たっていけるのはおひつじ座以外にはあまり考えられないのです。 
 
永井均は幸福な人でなければ哲学はできないと言い、なぜなら、そうでなければ幸福になるために哲学してしまうからと述べるのですが、「幸福な人がさしたる目的も持たずに哲学する」「幸福な人が何の役にも立たないことをする」というのは、考えれば考えるほどおひつじ座にうってつけのスタイルであり、ひとつの戦略と言えるのではないでしょうか。 
 
今期のおひつじ座のあなたもまた、いたずらに他ジャンルに精を出すよりも、自分の取り組み方がどこまで哲学的であるかどうかということをまず第一に気にしてみるといいでしょう。 


参考:永井均『「子ども」のための哲学』(講談社現代新書) 
12星座占い<5/16~5/29>まとめはこちら
<プロフィール>
應義塾大学哲学科卒。卒業後は某ベンチャーにて営業職を経て、現在西洋占星術師として活躍。英国占星術協会所属。古代哲学の研究を基礎とし、独自にカスタマイズした緻密かつ論理的なリーディングが持ち味。
文/SUGAR イラスト/チヤキ