35歳からアプリ婚活し、38歳で結婚。最後のチャンスでバリキャリ女性が重視したことは!?【モア・リポート67・後編】

1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。

そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。20代、30代の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします！

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ーDATAー

片山さん（仮名） ／39歳／会社員

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35歳の時にマッチングアプリで出会い、結婚前提で交際していた彼が既婚者だと発覚し、彼と別れ、アプリ婚活を再開した片山さん（仮名／39歳）。彼女は「子どもを授かりたい」とスピード結婚を考えていて……。

――既婚者の彼と別れた後、どうなりましたか？

既婚者、そして次に付き合った人は自然消滅……と落ち込む出来事が続き、しばらく婚活を休んでいました。でも半年くらいたって、「これでダメなら結婚は諦めよう。最後のチャンスだ！」と思い、アプリを再ダウンロード。

37歳の時、アプリで今の夫と出会ったんです。

――婚活が実を結んだのですね！

そうですね。でもマッチングした当初、夫が既婚者の彼と同じく2回目のデートで告白してきたので「もしかしてまた既婚者なのでは!?」と疑いました（苦笑）。告白された後も何度かデートを重ねて、既婚者じゃないことを確認してから返事をしました。既婚者に引っかかった経験を経て、かなり慎重になっていましたね。

――付き合ってどのくらいで結婚したのですか？

１年くらいです。夫も私と同じく結婚して子どもがほしいと思っていたので、結婚してからすぐに妊活をはじめました。

ブライダルチェックで、私が妊娠しずらい身体だということ、検査の中で卵管がつまっていることも事前にわかっていたので、夫と相談して結婚して半年で体外受精に踏み切りました。

――かなりスピーディですね。

そうですね。本来であれば、タイミング法→人工授精→体外受精と段階を踏むのがスタンダードですが、お互い30代後半だったし、はやく子どもを授かりたいという共通認識があったので、決断は早かったです。

流産も経験しましたが、2回目の移植で子どもを授かることができました。

――不妊治療にはどのくらいの費用が掛かりましたか？

検査を含めた総額で100万円程度です。助成金と保険を使って、45万円くらいは返ってきたので、実質は50～60万円といったところでしょうか。

――片山さんはもともと子どもが欲しいという願望が強かったのでしょうか？

はい。「子どもがほしいから、結婚したい」と考えていました。ただ、子どもはキャリアをしっかり築いてからという思いがあって。

実は私、25歳の時に結婚して、29歳の時に離婚しているんです。

――離婚原因はなんですか？

パートナーのDVです。20代後半から悩まされるようになりました。

結婚当初は、20代は仕事を頑張って、30代前後で子どもをと思っていたのですが、20代後半から夫のDVが目立つようになり、離婚することになりました。離婚により私自身のライフプランがくるってしまった、という思いもあります。

――仕事と、婚活・妊活の両立は難しいですよね。

そうですね。離婚しバタつく中、自身の生活を取り戻すのには時間がかかりました。そこから納得のいくキャリアを築いて、産休育休がとれるなと思ったタイミングが30代中盤だったんです。

「結婚＝子ども」と考えていたので、婚活もスピーディに！と、アプリで婚活をはじめ、結婚後はすぐに妊活を開始しました。

――年々、出産年齢は上昇しています。片山さんのように「いつか子どもが欲しい。でも今はキャリアを優先したい」と思っている女性は多そうです。20～30代は仕事・結婚・出産と、考えることが多い時期でもありますよね。

そうですね。正直、私は20代の頃はキャリア優先で、出産との両立を考える余裕はなかったですね。これだけ生き方が多様化しても、出産にはどうしてもタイムリミットがあります。いざ授かりたいと思った時にはもう遅いということもありえます。

卵子凍結などの方法もありますが、高額な費用が掛かる上に、確実に妊娠できるわけではありません。

――「いつか子どもを」と考える女性にアドバイスはありますか？

「いつか子どもを授かりたい」と思っているのであれば、20代のころから、かかりつけの産婦人科を持っておくことが大切だなと思います。

私が結婚後、すぐに子どもを授かれたのは、20代から産婦人科に通っていて、定期検査の受診・自身の生理痛の相談、いつか子どもがほしいと思っていることを前々からかかりつけ医に伝えていたからだと思います。

自身の体を理解してくれている先生がいたおかげで、妊活をスムーズに進めることができたんです。

――事前の情報収集が大切ということですね。

そうですね。「まだいいや」と思わず、20代のころから自分の体を知っておくことはライフプラン形成において、とても重要だと思います。