カップル&夫婦のお金の悩みをFPが解決!

カップルや夫婦で話しづらい話題の一つが「お金」。それでも話さなければならないから、できるだけもめたくない! 令和のカップル&夫婦のマネー事情アンケートに状況別悩み相談、お金の管理方法、もめごと体験談まで、カップル&夫婦のお金の悩みとその解決法をじっくり解説します。

※記事発信時点での情報のため、紹介している制度やサービス、特典、キャンペーンなどは予告なく変更・中止となる場合があります。

教えてくれたのは、ファイナンシャルプランナー 前野 彩さん

ファイナンシャルプランナー 前野 彩さん
『Cras』代表取締役。働く女性や子育て世代のマネープランをリアル&オンライン相談でサポートしている。新著『本気で家計を変えたいあなたへ〈第5版〉』(日本経済新聞出版)が2022年10月20日に発売。
[目次]
  1. 令和のカップル&夫婦間マネー事情アンケート
    1. パートナーとお互いの収入や貯蓄などについて話したことがある?
    2. デートのお金はどう支払うことが多い?
    3. プレゼントの平均額は?
    4. 立て替えたお金はきちんと請求する?
    5. お金に関して、相手に感心したエピソードは?
    6. パートナーや好きな人とお金に関することでモヤモヤしたこと、ドン引きしたことは?
    7. 家賃、生活費など、ふたりでかかるお金はどう分担してる?
    8. 同棲を始める前に、今後のふたりのお金に関して話し合いはした?
    9. まとめ:今は「ふたりで払う」が多数派の時代に
  2. お金でもめないカップル&夫婦になるための8ポイント
  3. 20代リアルカップル&夫婦の「お金の管理方法」
    1. ケース1:未婚×別居カップル
    2. ケース2:未婚×同棲カップル
    3. ケース3:結婚×単身赴任夫婦
    4. ケース4:結婚×同居夫婦
  4. 20代リアルカップル&夫婦の状況別マネー相談&見直し
    1. ケース1:未婚×別居×結婚前提カップル
    2. ケース2:未婚×同居×同棲カップル
    3. ケース3:既婚×お財布一緒×口座共有夫婦
    4. ケース4:既婚×お財布別×お財布別夫婦
  5. 20代カップル&夫婦、「お金」でもめた体験談8エピソード

令和のカップル&夫婦間マネー事情アンケート

いろんな価値観のある今だからこそお金の問題は難しいもの。プロのリアル診断で、状況別の最適解を根掘り葉掘り聞いてきました!

※アンケート調査は、パートナーがいる、またはいたことがある23~32歳の全国の女性100名、男性100名の計200名に実施

Q. パートナーとお互いの収入や貯蓄などについて話したことがありますか?

同棲・既婚カップルはい76%、未婚カップルいいえ83%
「相手がそれとなく収入を教えてくれたことがあるが、自分のほうが収入が高く、なんとなく言いづらい」(24歳・未婚・女性)
「家賃や、生活費の分担の割合など、お互いの金銭感覚を同棲前にすり合わせておくべき」(28歳・同棲中・女性)

未婚カップルは収入差がある場合お金の話は把握しにくいという声が多数。一方同棲・既婚カップルは「なんとなくの収入や貯蓄額をわかっていると、結婚後が想像しやすい」(27歳・同棲中・男性)など話し合い経験が76%と高めな結果に。

Q. デートのお金はどう支払うことが多いですか?

完全に割り勘48%
男性が多く払うという風潮は薄れ、男性がすべて支払うと答えた人は12%。「さっき払ってくれたから次は私が」と交互支払いも多い模様。

Q. プレゼントの平均額は?

16250円
加えて記念日などのプレゼントは1万円というアンケート結果も。少し背伸びした金額のものよりも「無理のない範囲で贈りあえる相手が理想的」(28歳・未婚・女性)という意見が多数。
プレゼントを持ちながら出費を考えている女性のイラスト

Q. たとえば“パートナーのために料理を作ってあげた”など、立て替えたお金はきちんと請求しますか?

いいえ79%
「喜んでもらえたのがうれしくて作りにいっていたけど一回ごとは少額でも回数を重ねるにつれ当然負担が増えていて請求してもいいか迷っている」(26歳・未婚・女性)
「旅先での飲食代を立て替えていたので何回か催促したけれど後回しにされ、しまいにはなかったことにされ、この人とは無理だなと思った」(29歳・未婚・女性)

一緒に過ごした時間で立て替えたお金のことは、金額の分だけモヤモヤは蓄積していくもの。不満の声が多い反面、請求できない人が79%と高割合に。お金に関して言い出しづらい世代観の表れかも?

Q. お金に関して、相手に感心したエピソードは?

お金を払う男性と受け取る女性のイラスト
「スーパーなど商品の相場価格などをよく覚えているところに感心した」(28歳・未婚・男性)
「『つみたてNISA』や『iDeCo』、投資信託などに関することを率先して調べてくれた」(29歳・既婚・男性)
“出費が増えても稼げばいい”という発想を持っているところがいい」(30歳・既婚・男性)

貯蓄額の多さや、倹約家、という面ではなく、「いかにお金事情に対応しているか」という面が、相手に好印象を抱かせているケースが多いのが令和のマネー観?
カップル、夫婦間のマネー事情。デート費用の負担、立て替えたお金はどうしてる?

Q. パートナーや好きな人とお金に関することでモヤモヤしたこと、ドン引きしたことは?

貯金箱を抱える女性と買い物袋を複数さげる男性のイラスト
「ファッションの買物でもスーパーでも『こっちが安い』、『これ安くていいじゃん』と値段推ししてくる。気持ちは考えてくれないのかと感じた」(27歳・同棲中・女性)
「見返りを求めているわけではないが、誕生日にこちらがあげたプレゼントより明らかに低額なものを自分の際に返され好きではないのかと不安になった」(26歳・未婚・女性)
「同棲するまで、借金の返済があるのを隠していたこと」(28歳・同棲中・男性)

お金に無頓着なのか気遣いがないのかわからないことがモヤッとの原因に。お金でモメたくないからこそ、こちらの意思表示が大事。

Q. 家賃、生活費など、ふたりでかかるお金はどう分担していますか?

項目別に折半34%
デート代割り勘が主流の今「ガス代は払う分水道代はお願い」など分担制にするか共同口座からすべて引き落としにするかが多数。相手の収入が明らかに高い場合は家賃を頼ったりも。いずれにせよお互いの収入把握は大事。

Q. 同棲を始める前に、今後のふたりのお金に関して話し合いはしましたか?

はい97%
「話し合わないまま同棲したら、後から困ることがたくさん出てきて後悔している」(30歳・同棲中・女性)
「収入に差があるため、生活費は完全折半ではなく、でも片方に負担が集中しすぎないように工夫しようと話し合った」(28歳・同棲中・男性)

「ふたりで使うものを買った時の出費の分担が難しい」、「相手が決めた家に住んだら家賃折半でも高くてつらい」などモメどころは多数。

まとめ:今は「ふたりで払う」が多数派の時代に

「共働き世帯も約7割となり、今は『ふたりで稼ぎ、ふたりで使う』時代と言えそうです。独身時代の貯蓄は結婚しても個人の財産ですが、その金額によってマイホーム予算や老後の準備額などは変わります。ふたりの未来を考え始めたなら、住まいや子どもの希望などのライフプランを立ててみると◎。ライフプランがあると、相手の経済状況を探りあう気持ちが消えて、将来必要なお金を一緒に準備しようと前向きに変われます。ふたりのお金を“見える化”して、楽しくお金が使える毎日にしましょう!」(前野さん)
お金でモメないカップルになる秘訣は? 家賃、生活費など令和のマネー観を調査

お金でもめないカップル&夫婦になるための8ポイント

どんなに仲がよくても、なんとなく話しづらいのがお金のトピック。よい関係を築くためのポイントをプロに聞きました!
お財布を抱えてけんかしている男女

1. 初めてふたりのお金について話をするのは、同棲や結婚など未来が見えてきたタイミングがベスト!

「将来が見えたらお金の話をするチャンス。管理されるのでは……とネガティブになりがちなお金の話も、ふたりの生活を明るいものにするため、という“未来”をベースにすると◎。ふたりの収入から考えるなら、家賃は○万円までだよね、たまには外食もしたいから食費はこれくらい、など具体的に話すほうがスムーズです」(前野さん、以下同)
プロの力に頼るのも手!
信頼できる相談相手を探すには、日本FP協会HP内の「CFP®認定者検索システム」が便利。所在地や相談分野などに合わせて検索可能。

2. 貯蓄などのデリケートな話は「今」ではなく「未来」をテーマに

「コロナ禍でライフスタイルや働き方が変わってきた今、将来への備えがより重要。話し合う時は、現在の収入や貯蓄額をズバリ聞くのではなく、『結婚式も挙げたいし、いつかは家や車も買いたいね。だったらこれくらいは貯蓄したいけどいくらずつ貯めていく?』という将来の話をきっかけにすると、お互いがポジティブに話せますよ

3. 結婚前に相手の「借り入れ」、「お金の使い方のクセ」、「家族への仕送り」はチェックしておくべき

「奨学金などの借り入れ金は、結婚のタイミングで必ず聞いておきたい話。趣味などのお金遣いや家族への仕送りも、結婚後に知ると『家計から出すの?』とモヤモヤすることに」

4. いざ同居生活がスタート! 家計の支出スタイルは、ふたりに合うものを選んで

「共働きカップルの家計管理には、大きく分けて3通りあります。口座はどうするか、家計への金額負担をどう設定するかなど、それぞれのやり方には特徴とメリット、デメリットが。お互いに納得するまでしっかりと話し合ってから選択すると不公平感が生まれにくく、気持ちよく家計の管理ができます」

支出分担派
相手の口座から家賃と光熱費を、自分は食費や通信費を、などと項目ごとに分担。アプリで共通IDをつくり、お互いに見える化しよう。

\ここに注意!/
支出の担当は明確になるが、口座が別なので支出総額が見えにくい。

金額分担派
お互いの収入に応じて家計に入れる金額を決定。どちらかの名義で共通口座をつくり、ここから住居費や食費などの共通支出を賄う。

\ここに注意!/
分担額が決まっているので不公平感はないが、貯蓄額が増えにくい。

ひとり分で生活派
ひとりの収入で総支出を賄い、もう一方の収入はほぼ貯蓄にまわす方法。支出担当者の貯蓄が増えないため、情報共有が必須。

\ここに注意!/
ひとり分の貯蓄はしやすいが、家計管理を一方に丸投げしやすい。

5. 家計支出の予算の話し合いは「ふたりの優先順位」を見える化しよう

付せん一枚につき支出をひとつ書いて並べ替えよう
「それぞれどんな支出を大切にしているかを付せんで“見える化”すると理解しやすくなります。並べ終わった付せんを見ながら、上位の理由を話し合うとお互いのお金に対する価値観の理解が深まります。見直しの際は、上位の項目の支出を減らすとストレスになるので、優先順位の低い項目から共通のものを選んで行います。『お互い通信費は下のほうだから、スマホのプランを見直そうか?』などと、具体的な話ができますよ」
妻の優先順位
夫の優先順位
順位の低いものでお互いに合致しているものから話し合うのがポイント!

6. お小遣いの使い道については口出ししない

「価値観は違うもの。相手を尊重する意味でも、予算内のお小遣いはどう使ってもOKと最初に決めておけば、ギスギスしません」

7. お金の勉強はひとりよりもふたりですれば選択肢UP

「夫婦で情報収集することで、ライフプランの選択肢がUPします。たとえば保険を検討する時も『社会保険があるから必要最低限でいいよね』と、ふたりで納得して選べます」

8. 家計の支出は「3つのスパン」で管理して

「用途ごとにスパンを決めると管理が楽に。食品や日用品など毎日のように支出があるものは1週間ごと、お小遣いは月ごと、旅行費など特別支出は1年ごとのスパンで管理すると、お金の流れが見えやすいです」

1:日々の支出は1週間ごと
食費などは週単位で管理すると、残額が把握しやすく計画的に使えて◎。家計専用のお財布に予算を入れれば、支出の管理が簡単!

2:お小遣いは1カ月ごと
口座から引き落とされる光熱費や通信費は1カ月単位が管理しやすい。お小遣いも1カ月で設定し、使っても使わなくても口出しはなし。

3:イベントなど特別支出は1年ごとに先取り管理
冠婚葬祭にかかる費用、プレゼントやお祝いごと、家族旅行など、毎月発生しないイベントの支出は1年単位のスパンで年初に予算設定。
同棲や結婚する前に知っておきたい! お金でもめないカップルになるための方法8選

20代リアルカップル&夫婦の「お金の管理方法」

カップルや夫婦のお金に関して緊急取材! 20代の4組が赤裸々に語るマネールールから、カップルたちのリアルが浮き彫りに!
家事をする夫婦

ケース1:未婚×別居カップル

未婚×一人暮らしカップルのマネー事情
干渉しないけど協力しあう、独立系カップル
会社員のAさんとパーソナルジム代表の彼は、別々に暮らし週末をともに過ごすスタイル。つきあって約半年の時、話の流れで「キミは財布を出さないよね」という彼の言葉に「以前支払いを彼から断られたからで、払う気がないわけではないのにと驚いた」とAさん。それ以来割り勘になり、“財布は別”のルールがあることにより、お互い快適に自由に過ごせるように。それぞれの実家からの相続で不労所得があり、資産運用をしているので同世代に比べ暮らしに余裕はあるけれど、お金に関してはシビアで堅実な一面も。
1. 完全に財布は別。使い方は自由に
「ふたりで出かける時は割り勘。相手に負担をかけることがなくシンプルで楽ですね」
2. 5万円以上のものは購入前に相談する
「買うか迷っている時はお互いに相談することで、ムダな出費を防げている気がします」
3. 遺産や相続に関して情報共有する
「お互い家族からの遺産や相続があり、彼が税理士さんからの情報をシェアしてくれます」

ケース2:未婚×同棲カップル

未婚×同棲カップルのマネー事情
「気になったら聞くスタイル」のオープンな関係
まだ同棲半年のふたり。彼女のBさんは、同棲前から気になったことは聞くスタイルで、彼の年収や貯蓄に関してもストレートに聞いていたそう。それは、彼がどの部分を大事にしていてどこがムダだと思っているか、金銭感覚のすりあわせに役立っているのだとか。そのうえで同棲を始めたので、お金に関しての感覚に違和感がなく、たとえばスーパーで買物をしていても、「こっちの商品でいいよね」、「贅沢してこっちにしようか?」など同じ感覚で買物できる。Bさんいわく「明るく聞くのがコツです」。
1. お互いの収入より生活費の割合を分担
「収入が多い彼が家賃を、食費や日用品代は私が、などざっくりとした担当を決めています」
2. 生活費のお金以外はそれぞれが管理
「お互い働いていて収入も口座も別なので、生活にかかるお金以外は口出ししないです」
3. 日々にかかるお金は“見える化”で共有
「レシートを取っておき、表計算ソフトで表を作り出費がお互いにわかるように管理」

ケース3:結婚×単身赴任夫婦

結婚×単身赴任夫婦のマネー事情
お互いの情報共有で、マネーの知識をアップデート
医師の夫と製薬会社勤務の妻という医療に携わるご夫婦。つきあって半年でお互いに結婚を意識していたので、将来の話の流れでお金に関する話題もスムーズに。結婚前には、妻のCさんが入っていた生命保険の受取人名義を夫に変更するべく、また、将来のマネープランを専門家に相談するため、夫も同席。シートへの記入で、収入や貯蓄額に関しても自然と知れたのだそう。Cさん的にお金の勉強はふたりで分担し、それぞれの知識を共有する時間が離れていても良好な関係を築けるポイントなのだとか。
FPが教えるカップル&夫婦とお金の悩み解の画像_18
1. お互いの収入は別々の口座で管理
「お金の管理はそれぞれで。信頼関係をつくってきたので特に不満も心配もないですね」
2. 生活費は費用ごとにそれぞれの口座から
「固定費は夫、食費などは私、外出時は割り勘です。収入が高い夫が多く払っています」
3. お金に関する勉強はふたりで分担する
「住居に関しては私、資産運用に関しては夫など、分担・共有し効率的に学んでいます」

ケース4:結婚×同居夫婦

結婚×同居夫婦のマネー事情
結婚していても、お金の管理はそれぞれで
同棲を経て結婚されたふたり。夫のほうが妻のDさんより収入が高い分、自発的に多くのお金を家計に入れ、夫からは12万円、Dさんは3万円の合計15万円を月の生活費に。「不足分は夫がまかなってくれたりなど、特に今までお金に関するトラブルがなかった」とDさん。それは、それぞれ口座は別々で、お互いのお金の使い方や貯蓄などに関して干渉しない姿勢にあるよう。来年結婚式を予定しているので、初めて貯蓄専用にふたりの口座を開設することに。個人の貯蓄は保ちつつふたりの資産づくりを開始。
1. 家賃や光熱費は夫、妻は食費を担当
「夫が生活費に多く払ってくれているので、食費の管理などは私が責任を持ってするように」
2. お互いに買い物に関しては意見しない
「生活費以外のお金は、趣味や贅沢に自由に使っても口出しなし。夫のお酒もお小遣いで」
3. 貯蓄など、個人のお金はノータッチ
「夫個人の貯蓄額は今でも知りませんし、これからも特に聞くつもりはありませんね」
夫婦や同棲カップルのリアルなマネー事情を直撃!みんなの「お金の管理方法」は?

20代リアルカップル&夫婦の状況別マネー相談&見直し

タイプと状況別にモメないための解決策をプロが診断!

ケース1:未婚×別居×結婚前提カップル

未婚×別居×結婚前提カップルのイラスト
ふたりのお金について話してはいきたいけど結婚前にはモメたくない!
彼女Wさん(27歳・デザイナー)の主張・悩み
●転職前の給与明細を見せたことはあるが現在の収入の話はしていない
●彼の初年度の年収は聞いたことがあるけれど現在の収入は特に把握していない
●食事代など、多く払ってもらっているのが申し訳ない

「食事代を多く払ってもらっている分ほかでは負担をかけないよう気をつけている。一緒に生活する場合どのくらいの頻度でお金について話し合うのがいいのか。お金の使い道をすべて共有するべきなのか知りたい」(Wさん)
彼氏Mさん(28歳・会社員)の主張・悩み
●新卒の頃の年収は伝えたことがあるが貯蓄額は話したことがない。聞かれたら話せる
●同棲したら……の場合の家賃負担の話はしたが生活費の話はまだ
●ふたりの旅行のために各自5000円を毎月貯蓄している

「自分のほうが収入が高いので同棲した場合は自分が多く払おうと思っているが、一般的にどう配分するのがベターなのか。また今後年収が下がる可能性もあるので、どんなふうにお金について話し合うべきか気になる」(Mさん)
結婚前提カップルの最適アンサー
同棲するなら?新婚旅行は行く?結婚式をするなら?
“仮に”、“もしも”の想定でOK。「ふたりにどれくらいのお金が必要か」話してみる
「同棲を例にとると、家賃や家電製品の予算をふたりでシミュレーションするだけでも金銭感覚のすり合わせができますよ。仮に50万円必要だと答えが出たら次はその金額をどうやって捻出するか、どちらがどれだけ負担するかと話せるし、私はこのくらいなら払えるなども正直に言いやすくなります。お金の話は同棲や結婚などふたりの生活が始まる前にするのがベストです」(前野さん、以下同)
年に1回でいいので支出や貯蓄について話せる姿勢がキー
「源泉徴収票をもらう時期などにカップルでも『今年の収入はこんな感じで支出はこうだった』と一年のまとめを気軽に話せるとスムーズです。予定どおり貯蓄できているかお互い確認しあうのもいいですね。大事な時にお金の話ができるカップルのほうが圧倒的に仲よくいられます。また友達や家族など第三者に使ったお金でモヤモヤしている人も多いので、そこへの予算感も話し合っておけるとなおよしです」
\このツールがおすすめ!/
『Zaim』
家計簿アプリ『Zaim』。
細かくカテゴリーに分けて管理できるからどのジャンルにお金をかけたか整理しやすい。現金派の人にもおすすめ!
ふたりのイベントのために共同貯蓄をつくると◎
「旅行、食事などふたりの共通の目標のために毎月金額を決めて貯めていくことはとてもよいですね。具体的な行き先、現実的な費用と時期まで決めておくとベスト。これがないと急に違うことに使ってしまったり、せっかく貯めたお金を使うのがもったいなく感じてしまうことも。現実的な目標があると楽しくお金が使えますよ」
結婚前提カップルのお金の悩みにプロがアンサー! 「お互いの収入の話をしていない」

ケース2:未婚×同居×同棲カップル

未婚×同居×同棲カップルのイラスト
ちょっとしたお金の価値観のズレも、結婚前だと指摘しづらい。
彼女のHさん(27歳・金融)の主張・悩み
●彼の収入はざっくりとは予想できるが具体的には知らない
●自分は家賃や旅行もいろいろと調べて最適なものを選びたいが、彼は直感で決めるタイプなのでその差にモヤモヤすることも
●結婚していないので彼に聞きにくいが、結婚のためにどれくらい貯めておけばお互い安心かわからない

「私は貯蓄好きな倹約家ですが精算が面倒なので、私が多めに払った際もそのままにしてしまうケースが。彼の正確な収入額を聞いたり、お金に関してモヤッとすることを指摘するのは結婚していないので言いにくい」(Hさん)
彼のTさん(27歳・商社)の主張・悩み
●収入と貯蓄額を彼女に聞いたこともあるが具体的な額は言われなかったのでそれ以上は詮索しないようにしている
●稼いでいるほうが多く払う気持ちではいるが、貯蓄は彼女のほうが多そう
●今後、何歳までにいくら貯蓄があれば安心か知りたい

「倹約や計画的な貯蓄は苦手。でも貯蓄は十分にあると思う。家賃は彼女と折半で光熱費は自分が負担。その分彼女が食費や日用品を買ってくれている。何歳までにいくらあれば安心なのか平均値は知っておきたい」(Tさん)
同棲カップルの最適アンサー
必ずしも“一緒に決めよう”としなくていい! 得意なほうが先導するとお互いストレス減
「彼女は時間や手間をかけてお金を節約したい、彼は手間はかけず即決して時間を節約したいという差が。価値観にズレを感じる場合は、どの買物は誰が担当する、などテリトリーを決めるとよいでしょう。たとえば吟味が得意な彼女が“候補を3つに絞ったけどどれがいい?”と相手に選択肢を残し提案して、即決が得意な彼が最後は決める、などにすると喧嘩も防げます」(前野さん、以下同)
過去のお金は透明化しなくてよし。“これからのふたりのお金”をふたりで決める
「いくら貯蓄があるのか、お金の使い方はどうしていたのかオープンにできればスムーズですが、言いにくい場合は過去のことは詮索しなくても◎。ふたりの生活は未来の話。何年後に結婚式を挙げたい、車を買いたい、だからいつまでに貯めよう、毎月こうしてみよう、など未来のための目標を立てることが大事」
精算が面倒な生活費は共同カードを利用すると便利
「それぞれが食材を買ってくるふたりは『B/43ペアカード』がおすすめ。どちらかが銀行口座やクレジットカードなどからカードにチャージするともうひとりのカードにも残高が反映され、何に使ったかをアプリで即確認できます。最大のメリットは予算管理ができること。毎月の入金額を決めて、この範囲で生活しようと目標を立てられるうえ、どっちが多く負担したなども起こらないので生活費のやりくりがスムーズに」
\このツールがおすすめ!/
FPが教えるカップル&夫婦とお金の悩み解の画像_24
チャージ式Visaプリペイドカード×家計簿アプリ『B/43(ビーヨンサン)』。
何に使ったかをふたりで把握できる。共通の残高から引き落とせるペアカードが最大の特徴。
同棲カップルのお金の悩みにプロがアンサー! 「生活費は共同カードを利用すると便利」

ケース3:既婚×お財布一緒×口座共有夫婦

既婚×お財布一緒×口座共有夫婦のイラスト
生活費や娯楽費も出どころが一緒な分、どこにどれくらい使っているかがうやむやに。

ふたりの状況
☑︎ 今はお互いほとんどの収入を共同口座に
☑︎ 生活費などのふたりの細かい支出はクレジットカードで支払い
☑︎ ふたりで積み立てているお金は特にない
妻のMさん(29歳・飲食)の主張・悩み
●結婚後、ふたりの貯蓄は増えたが個人的な貯蓄や資産には回していない
●収入に対する支出の適正値などを把握していないので、今後家族が増えたりした時が不安

「結婚前に夫の貯蓄額が少なかったのはモヤモヤしたけれど、無駄遣いやお金のかかる趣味があるわけでもなく、お金について話し合えているので今は不満はなし。投資などはしておらず保険に入ることを検討中」(Mさん)
夫のTさん(31歳・営業)の主張・悩み
●お財布を一緒にしてから貯蓄額は増えたがお小遣い制にはしたくない
老後、どれくらい手もとにお金があればいいのかわからない

「独身時代は年間収支が±0なくらい浪費家だったけれど、結婚前の同棲時からはお互いの給与、残高を共有するようになり自分の支出が減った。今の家計管理は婚約前に話し合った結果。老後資金が貯まるか心配」(Tさん)
口座共有夫婦の最適アンサー
結果を共有できるように家計の中身を“見える化”すべし
「おふたりの収入をひとつの口座にまとめ、生活費すべてをそこから引き落として日々のゆとりがあるゆえ、何にいくら使ったかの全貌を把握しきれていないとのこと。それだと今後どんなライフプランを描けるのか見えにくいのでまずは現状を知りましょう。銀行口座やカード会社と同期できる家計簿アプリがあると自動的に記録してくれるので、手間や無理がなく今を知ることができておすすめです!」(前野さん、以下同)
\このツールがおすすめ!/
FPが教えるカップル&夫婦とお金の悩み解の画像_26
家計簿も資産確認も一括で管理できるアプリ『マネーフォワード』。
サブスクの月額も反映してくれる。銀行口座、カード会社、証券会社、通販サイトなど連携登録できる先が2570以上も!
支出はひとつの口座に固定。「貯める目的別」で口座を分ける
「生活費と貯蓄の口座が同じだと、残高の使い道もなんとなくで決まってしまううえ、大きな出費があった時も行き当たりばったりの予算を組むことになってしまいます。旅行用、車購入用、出産費用など、口座を分けて貯蓄していくと“いくら貯まったからこれをしよう”と目的を明確化できて楽しくお金が貯められます」
長い目で、ふたりに合った資産形成を考えてみる
「資産運用では“いつ”、“何に”、“いくら”必要かを考えて、制度や商品を選びます。国の制度の中には、投資でどんなに利益が出ても税金がゼロ円のオトクなものも! 投資信託をコツコツ積み立てる『つみたてNISA』や老後資金目的の税制優遇効果が高い『iDeCo』を活用しましょう。下で紹介しているサイトもぜひチェックしてみて◎」
つみたてNISAナビ
つみたてNISAナビ
https://www.tsumitatenisa.jp
iDeCoナビ
iDeCoナビ
https://www.dcnenkin.jp
口座共有する夫婦の悩みにプロがアンサー! 「家計の中身を“見える化”すべし」

ケース4:既婚×お財布別×お財布別夫婦

既婚×お財布別×お財布別夫婦のイラスト
お互いの出費に口出ししたくないが、今後のライフプランのためにどう貯める?

ふたりの状況
☑︎ 同棲当時からお財布を別にしていたのでそのまま
☑︎ 毎月それぞれ10万円を共同口座に振り込み、家賃と光熱費だけ引き落として残りを貯蓄へ
☑︎ お互いの自由なお金については干渉しない
妻のSさん(24歳・事務)の主張・悩み
自分は浪費してしまうタイプなので今後が不安
自分のほうが収入が高いので、あまりお金の話を自分から振ったり話したりする勇気がない

「推し活や美容に際限なくお金を使うところがあり後悔しがち。お互いになんとなく貯蓄があることはわかっているので、特に細かい部分には言及しない。夫は倹約家だと言っているが食費などの生活費のムダは多いと思う」(Sさん)
夫のKさん(23歳・クリエイティブ)の主張・悩み
●お財布が別な分、自分の支出はコントロールしやすいが、相手がどこにどれくらい使っているのかが見えない
●今はお互いの収入で生活が成り立っているので、今後のライフプランのためのお金の話し合いは特にしていない

「僕は倹約家ですが妻は浪費家。各々独立したお金の使い方にしているので口出しはしないが、何にいくら使っているのかは気になる。最近は物価上昇による生活費の圧迫や資産形成を今後どうするか気にしている」(Kさん)
お財布別夫婦の最適アンサー
いくら入っていくら使える?いくらローンが組める?
財布は別でも、収入・支出は共有できていたほうが家計と夫婦関係はうまくいく!?
収入、支出をお互い把握できているほうがふたりの間でお金のストレスがなくなり、夫婦間も仲よくいられますたとえば相手がお金を貯めているかわからないと、不安や過度な貯蓄ストレスになる可能性も。マイホームの購入など、これからふたりで何かしたい、と思った時に家計が把握できていると、選択肢の幅が広がりますよ」(前野さん、以下同)
「ふたりでどこにお金を使っていくのか」のライフ&マネープランを考える
「推し活や美容など好きなことにお金を使ったはずなのに、後悔するのはもったいない。楽しくお金を使うために、これからどんな生活をしていくのか、家を買うのかなどのライフプランが必要。“未来のためにいくら貯蓄しているから大丈夫”と思えれば、ふたりの今の時間も楽しく過ごせるはず目標は明確に」
二人の未来のための貯蓄、消えていく支出、それぞれの個人のお金
財布別夫婦の場合、お金は“3本柱”で考える
「“支出”と“個人のお金”は独身時代と変わらないですが、おふたりが共同口座に残ったお金を貯蓄しているように“ふたりの貯蓄”という意識を持つ、ということが大事。この3本柱があれば、ふたりの将来設計をしながら個人で使えるお金も確保できるので平和に。個人のお金は干渉しないままで、夫婦としてのお金を共有できるので安心です」
財布別夫婦のお金の悩みにプロがアンサー! 「収入・支出は共有できていたほうが安心」

20代カップル&夫婦、「お金」でもめた体験談8エピソード

カップルとお金にはトラブルがつきもの!? 「わかるわかる!」って声が聞こえてきそう……。

エピソード1:外食の割り勘で…

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「デート中の外食はすべて割り勘。最初は対等な関係な気がしてよかったけれど、冷静になると食べる量は彼のほうが圧倒的……」

一見フェアな印象のある外食の割り勘。ふたを開けてみれば、ふたりの食べる量に明らかな差があるケースでは、少ないほうが損をしている気持ちになるという意見も。

エピソード2:初デートの会計で…

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「初デートの会計で財布を出したら、“払う気がないなら、そういうのヤメろ”って言われて……。支払うつもりでいたので衝撃」

支払い時のこんなトラブル報告がたくさん。「男が支払わなければ」という彼側のプライドと「言ってくれれば払うのに」という彼女の意見がぶつかりあうことがあちこちで多発。

エピソード3:結婚前に貯蓄額を発表しあったら…

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「つきあっている時は貯金額を聞くのがぶしつけな気がして。結婚式を挙げるにあたってお互いの貯金額を発表しあったらなんと相手は貯金ゼロ。式を挙げようって話は前からしていたのに“どういうつもり?”とケンカになりました」

お金目当てだと思われるのがイヤでなかなか聞けないことのひとつが貯金事情。タイミングを見計らう必要はあるけれども、あまりにのんびり待ちすぎるとこんな悲劇も。

エピソード4:金銭感覚が合うと思ってたら…

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「つきあって1年、デート中もいつも楽しそうにしてくれていたので、金銭感覚も合うんだと安心していたら、突然“金遣いの荒さについていけない”と別れを切り出されてしまいました」

今回の企画に寄せられたエピソードを見ていると男性側がお金の話に対して消極的なパターンも多々。金銭感覚をすり合わせることはなかなか難しいということを証明するお話。

エピソード5:日用品の買い足しで…

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「同棲開始後“日用品は、気づいたほうが買い足そう!”と決めたが最後、いつも気づくのは私ばっかり。彼は悪気がないから強くも言えず困っています」

相手にも自分にも圧をかけないがための「気づいたほうがする」というルールは、あとあとトラブルを生むことが少なくない模様。性格の違いが出るポイントでもあるみたい。

エピソード6:家計見直し時に価値観で…

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「結婚を機に家計の見直しを試みたのですが、住居に重きを置く私と食事に重きを置く彼とで意見がぶつかりあい。いまだ平行線です」

価値観のすり合わせがうまくいかないカップルがここにも……。自分にとっては些細なことでも相手にとっては大問題。わかってはいるけれども心から理解するって大変!

エピソード7:交際1週間でお金の話をしたら…

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「お金の話をするのは早いほうがいいと思い、つきあって1週間で収入や貯蓄額を聞いたらムッとされてしまった」

こちらはフランクにお金の話をしすぎてしまったという例。寝かせすぎるのもよくないけれど、早すぎると相手にデリカシーがないと思われることも。ほどほどって難しい……。

エピソード8:ギリギリの生活費なのに…

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「収入に対してギリギリの生活費でやりくりしていたのに、夫が実家に私たちの生活費の3分の1にあたる額を仕送りしていることが発覚。特に実家はお金に困っていないのだったら自分たちの生活費にあててほしい気持ちと、家族のことなので安易に口出しできないという気持ちの板ばさみに」

相手の家族がらみのトラブルで悩む人も。家族とはいえど義実家のお金の話に深入りしていいものかどうか悩みどころ。ナイーブだからこそため込んだモヤモヤが爆発する危険も。
20代カップル&夫婦の「お金」でもめたエピソードを公開! 原因は金銭感覚や貯金事情など

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イラスト/オガワナホ 桃源ゆき